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三話・七色の虹は流離い光る


「もう一本!行くぜヨモツ!!」
いいねぇ。
ケン坊は確実に力を付けている。
最近ことばの成長ってやつに
生きがいを感じるようになってきた。
この村に来て少し経った頃、
環境にもコトダマン達にも
変化が見られるようになった。
破壊の鬼なんて呼ばれてたウォンは
傷付いた冒険者達を
癒す医者みたいになってるし、
カーミラも喧嘩しつつ側で支えている。
んで、意外だったのが
我が道をゆくイメージのダチ公だ。
何か占星術だかで悩み解決を導いたりして、
評判なんだと......。

「やぁやぁ!冒険者の皆!
君の心の太陽は、輝いてるかい?!」

...何だぁ?旅芸人か?
煌びやかな衣装と華麗な演奏と歌声...。
皆呆気に取られていたが、
すぐに大盛り上がりだ。
「いいね!
さすが我らのイシュタルテだ!」
「キャッハ!イシュたんの帽子、
アタシの作品なんだよ!
もっと見て見て!」
イシュタルテと呼ばれた女とは
別の意味で煌びやか...
素直に言うと下卑た成金みたいな男女が
ほくそ笑んでいる。
「やはり勇者とはこうでなくては!
...そうだろう?英勇者君!」
感じ悪い男が、
絶対に上げそうにない目線を俺に寄越した。

やれやれ...
俺達はことばの凄さ比べを
してる訳じゃないぜぇ?

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