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五話・悪魔の王となりて赦し忘るる


「させるか!
どいつもこいつも!!
目を覚ましやがれ!!」

 

!?ゼクス?!ってオイ!
"イ"フゥイン!大丈夫か!?

 

「...やれやれ。
野蛮な虫は騒がしくて
実に煩わしい...。」

 

眼に刺さった
ゼクスの短刀を引き抜き、
静かに語り始めた。

 

「ねえ虫野郎。
貴方は仲間を守ると言って
私に刃を投げた。
明確な"悪意"を
むき出しにしてね...。
そう...誰しもが、
内面に抱えた"悪"が
最後に残るんです。
このように...」

 

「ぬぁああ!イシュ!
イシュタルテ!
僕の!僕だけの光!」

 

「私だけが似合うの!
誰より美しい!
私だけが美しいの!」

 

「ね?何と醜く、愚かで、
愛おしい悪魔達...
フククク...!」

 

俺が抜刀するより先に、
カーミラが誘眠の魔法で
その場を静寂へと変えた。
いつも以上に険しい顔で
構えながら...

 

「賢い女は好きですよ...
憎たらしくて、
ほんと不愉快です。
ああ!いい帽子ですね。
僕にもひとつ下さい!
このオシャレ屑女のだって、
元々は貴女が
作ったものでしょう?
僕は明日
世界に向けて宣言します。
皆素直になって、
存分に心と心で
殺し合いなさい、と...
僕はそんな悪魔達の王............」

 

―――――悪魔王イフゥインです―――――

 

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