ことばは、生まれ、死んで
廻る――廻り続ける。
言冥界で、ことばの生き死にを目の当たりにした
ましろが次にことばを届けるのは、ムオン。
――かつて、世界を「無」に還すべく現れ、
言霊界や音言界を震撼させるも、
「キュウセイ」に倒されたはずの存在。
「マジワド学園」にあらわれたムオンは、
教鞭を執るココウの前に突如現れたのだった。
ココウにとってムオンは
咎人を生み出してきたかつての敵。
だが、彼の瞳に映った姿は、
まるでただの無垢な少女のようで、
他者を害する意思も「無い」存在だった。
しかしムオンが「有る」世界は、
かつて自分自身の影響で、
多くの者の一生を狂わせた言霊界。
ムオンには敵意のまなざしが向けられる。
天言界の天使達の申し出により
早速、ココウのもとに向かったましろは、
今ここにあるムオンを信じて守りながら、
ことばを話さないムオンに、ことばを紡ぐ。
なぜここに「有る」理由を探す旅はやがて
コトダマンの転生を掌る「天言界」、
さらにその先へと広がっていく――。